私たちは、日本やロシア極東、および東アジア全域における野生魚漁業の持続可能性を改善し支援する取り組みの一環として、ニューオーリンズで開かれた今年のシーフードサミットで有識者会議を開催しました。パネリストとして、日本最大の商業漁業の協同組合である北海道ぎょれんの代表者および、ロシアと日本両国から著名な科学者の方をお招きしました。パネリストの方々は、極東地域の国々がどのように魚を獲り、国内漁業を管理しているかに目を向けるとともに、乱獲や生息地への影響および違法漁業などの持続可能性に関わる課題にいかに取り組んでいるかを検証しました。最も重要なのは、日本人のパネリストがプレゼンの中で、これまでの様々な持続可能性に関する取り組みを初めて公表したことです。北海道ぎょれんはまだ漁業改善プロジェクト(FIP)の立ち上げを正式に発表していませんが、漁業改善に向けて大きな進展(いくつかの挫折もありましたが)があったことが分かります。
各パネリストのプレゼンは下記からご覧いただけます。
福田氏は北海道漁業協同組合連合会(道ぎょれん)営業第二部部長代理で、道ぎょれんは漁獲量では日本最大の地域の漁業協同組合です。福田氏はMSC認証取得プロジェクトをはじめ、道ぎょれんの持続可能性の取り組みを管理してきました。
2つの部門と2つの研究支部を抱えるさけます・内水面水産試験場理事の永田博士の調査研究は、北海道サケ(シロサケ、カラフトマスおよびサクラマス)に関する予測および管理、野生および孵化場魚のモニタリング活動、野生魚とその生息地の保全活動、および北海道シロサケ漁業のMSCおよびFIPに関する科学的なアドバイスの提供など多岐にわたります。
ドミトリ・ラジュ博士はサンクト・ペテルブルク大学の魚類学水生生物学部の准教授で、サンクト・ペテルブルク大学で学士号と修士号、ロシア科学アカデミーの動物学会で博士号を取得しました。また、ニューハンプシャー大学ではフルブライト奨学生でした。ロシア各地での野生魚漁業のMSC審査および漁業改善プロジェクトにおいて主導的な役割を果たしています。