第2回ワークショップレポート:水産物の国際認証スキームを知る

第2回ワークショップレポート:水産物の国際認証スキームを知る

 

サステナブルシーフードプラットフォーム第2回目のワークショップ「水産物の国際認証スキームを知る」が1月30日に行われました。ご参加いただいた皆様、スピーカーの皆様ありがとうございました!

今回はGSSIに認定されている認証スキームの中でも日本市場で注目の集まるMSC、ASC、ASMI、BAP認証の運営組織の皆様に各認証についてご紹介いただきました。代表にお越し頂き、それぞれの認証スキームについてのプレゼンテーションを行っていただきました。その後は弊社代表花岡の司会のもと、参加者の皆様と質疑応答を行いました。

MSC認証について

海洋管理協議会(MSC)日本事務所 プログラム・ディレクター 石井 幸造氏

ここ数年で急速な広がりを見せるMSC認証。日本でマーケットを牽引するイオンでは現在14%、日本生活共同組合では17%がMSC由来の水産物だそうです。また、現在のCoC認証取得企業数は世界全体で4,530社、日本では199社で前年から35社伸びており、今後の拡大が期待されています。

ASC認証について

水産養殖管理協議会(ASCジャパン)ジェネラルマネージャー 山本光治氏

ASCについても近年の拡大が著しく、国内では約90社がCoC認証を取得しています。
また、日本国内にて世界初のASC-MSC海藻(藻類)認証をユーグレナが取得誕生するなど、海藻類でも進捗が見られています。GSSI認定についても、現在はサーモン基準のみが認証されていますがでだが、近くには複数の基準をまとめて認定を受けられる予定とのことです。

ASMI(RFM認証)について

アラスカシーフードマーケティング協会(ASMI)家形晶子氏

ASMIは世界の水産物全を対象にする認証ではなく、「アラスカ産」を芯にもつ地域の認証を運営しています。毎年206,608トンもの水産物がアラスカから日本のマーケットに入ってきており、それらは数の子、すじこ、たら、すけとうだら、サーモンなどどれも日本人に欠かすことのできない水産物ばかりです。一度自社のサプライチェーンを見直してみると沢山アラスカ産の水産物があるかもしれません。

BAP認証について

世界養殖連盟(GAA)バイス・プレジデント スティーブ・ハート氏

全世界では、養殖場、加工工場、孵化場、資料工場で2,155の施設が認証を取得しており認定を受けており、日本でも先日の株式会社日立製作所様での導入を皮切りに拡大が見込まれています。日本のマーケットにも多く入ってきている、チリ産養殖サーモン、東南アジアの養殖エビなどは幅広くBAP認証を取得しているため、こちらも現在の流通を見直してみると良いかもしれません。

質疑応答

各認証スキームの概要説明の後、質疑応答の時間を設けました。認証に対するロイヤリティや養殖用抗生物質の基準値についてなど実践的な質問が寄せられました。各認証の強みをそれぞれがアピールする場面もあり、特に社会問題については各認証スキームで対応が進められているようです。

今回のワークショップで紹介させていただいた国際的な認証スキームを導入するためには周囲の理解や協力などが欠かせません。しかし、こうした認証水産物を積極的に導入していくことで自社の環境、経済、社会面における取り組みを国内外に発信していくことができます。。これから日本の水産業や自社の事業を持続可能にしていくために認証スキームをどのように導入すべきか、今回のワークショップに参加いただいた皆様にその大まかな道筋を示せたのなら幸いです。

シーフードレガシーでは引き続き皆様のサポートをさせていただきます。もし具体的な認証のアドバイスなどが欲しい!という方はぜひお気軽にお問い合わせください。(sfl_seminar1@seafoodlegacy.com、担当:山岡)