ASC認証
ASC認証はASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)が定める基準に満たした養殖業に対して与えられる認証です。この認証によって、その養殖場で生産された水産物が、環境や社会に配慮されたものであると証明されます。対象となる魚介類は海水・淡水生物(魚類・貝類・甲殻類)、熱帯魚類、藻類の12種です。
ASC認証を取得した責任ある養殖管理のもとで育てられた水産物には以下の水産エコラベルをつけることができます。
ASC養殖場認証取得者数は2021年現在、世界で1,588養殖場、国内で89養殖場であり、またASCラベル付商品数は世界で約20,000商品にのぼります。このようにASC認証は世界的な認証制度となっています。※1
自然環境や生物多様性、さらには労働環境にも配慮されているかどうか、適合性評価機関(CAB:Conformity assessment body)が監査を行い、ASC基準への適合性を判断します。
その基準は以下の7つの原則のもとに定められています。
1. 国および地域の法律および規制への準拠
2. 自然生息地、地域の生物多様性および生態系の保全
3. 野生個体群の多様性の維持
4. 水資源および水質の保全
5. 飼料およびその他の資源の責任ある利用
6. 適切な魚病管理、抗生物質や化学物質の管理と責任ある使用
7. 地域社会に対する責任と適切な労働環境
認証を取得するためには、ASC養殖場認証機関として認定されている認証機関(CAB)と契約を結び、審査を依頼します。また審査基準は魚種によって異なるため、それぞれの基準で養殖場の審査が行われます。審査にかかる期間は合計で約4ヶ月ほどです。
その後、認証を獲得した水産物を流通させるためにはCoC認証を取得する必要があります。これによって非認証水産物の混入を防ぎ、またトレーサビリティも確保されます。
またASC認証は水産エコラベルの信頼性の確保及び改善を推進するGSSI(Global Sustainable Seafood Initiative)に承認されています。GSSIはFAOガイドラインを運用するグローバルベンチツールを作成し、これによって水産エコラベルの審査が行われています。2021年の東京オリンピックの調達ガイドラインにおいてもこのGSSIが用いられました。※2
※1 November 2021 ASCニュースレター
https://jp.asc-aqua.org/wp-content/uploads/sites/9/2021/11/ASC_November_2021_Newsletter_cp.pdf
※2 GSSI : What makes GSSI unique?
https://www.ourgssi.org/what-we-do/