サステナブル・シーフード用語集

MSC認証

MSC認証はMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)が定める規格を満たした漁業、企業に与えられる認証です。MSC漁業認証は水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業に対する認証です。天然の海水・淡水生物(魚類・貝類・甲殻類など)を対象としています。MSC漁業認証取得漁業数は世界で441件、日本で12件です(2021年7月31日時点)。

MSC認証漁業で獲られた水産物に以下に示す、MSC「海のエコラベル」をつけることができます。

 

MSCラベル付き製品は世界約100カ国で取り扱われており、日本でも900品目以上の製品が登録されるなど、世界的に広く普及した水産エコラベルです。

MSC漁業認証規格には以下の3つの原則があります。

原則1:資源の持続可能性
過剰な漁獲を行わず資源を枯渇させないこと。枯渇した資源については回復を論証できる方法で漁業を行うこと。
原則2:漁業が生態系に与える影響
漁業が依存する生態系の構造、多様性、生産力等を維持できる形で漁業を行うこと。
原則3:漁業の管理システム
原則1、2を満たすための地域や国内、国際的なルールを尊重した管理システムを有すること。また、持続可能な資源利用を行うための制度や体制を有すること。
MSCウェブサイトより引用)

規格は国連食糧農業機関(FAO)の水産物の認証とエコラベル制度に関するガイドラインを満たして​​おり、水産エコラベルの信頼性を審査しているGSSI(Global Sustainable Seafood Initiative,世界水産物持続可能性イニシアチブ)の承認も受けています。

規格のもとに28 の業績評価指標​​があり、これに基づいて独立した審査機関が審査を行い、認証をします。

認証漁業で獲られた水産物を流通させるために、加工・流通にかかわる企業がCoC認証を取得する必要があります。これは、認証水産物が非認証の水産物と混ざることを防ぐとともに、トレーサビリティを確保するための仕組みです。CoC認証には以下5つの原則があります。(※CoC認証グループバージョンの場合は原則6「グループCoCに関する追加要求事項」も適用)

原則1
認証製品は認証取得サプライヤーから購入されなければならない
原則2
認証製品であることが識別できなければならない
原則3
認証製品は分別されなければならない
原則4
認証製品は追跡可能であり、数量が記録されなければならない
原則5
事業者の管理システムは、本規格の要求事項に対応するものでなければならない
MSCウェブサイトより引用)

CoC認証も第三者機関によって審査されます。CoC認証の規格には、近年、注目が高まりつつある、強制労働と児童労働に関与していないことを保証するための要求事項もあります※1。

MSCが2020年に行った調査によると日本におけるMSC認証ラベルの認知度は19%。世界の平均的な認知度46%に比べると低いですが、前回(2018年)の調査よりも7ポイントアップするなど、急速な進展がみられます※2。また、2021年1月にはCoC認証の取得企業が300を超え、世界で5番目に取得企業数が多い国となるなど、サステナブル・シーフードの普及を精力的に牽引しています※3。

 

 

※1 水産業界における強制労働および児童労働の撲滅を目指し CoC認証に新たな措置の導入(2019年3月)

※2 MSC(海洋管理協議会)プレスリリース:サステナブル・シーフードの証、MSC「海のエコラベル」 日本での認知度が19%にアップ(2020年11月)

※3 MSC(海洋管理協議会)プレスリリース:MSC認証水産物を扱うMSC CoC認証取得事業者数が日本国内で300社を超えました(2021年1月)

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CoC認証

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ILO漁業労働条約(第188号) IQ(個別割当方式) IUU(違法・無報告・無規制、Illegal, Unreported and Unregulated)漁業

M

MEL認証 MSC認証

S

SeaBOS SeafoodWatch

T

TAC(漁獲可能量制度) TNFD

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VMS