シンポジウム2016総括レポートー5 日本のサステナブルシーフード市場の課題と期待

2016年11月11日にシーフードレガシーが日経エコロジーと共に開催したサステナブル・シーフード・マーケット・シンポジウム「魚から考える日本の挑戦2016 —東京五輪を機に作り上げる持続可能な調達と食の未来—」。朝10時から夕方18時までの密度の濃い長丁場、最後は「東京五輪に向けたサステナブル・シーフードの課題と期待」と題したパネルディスカッションが展開されました。
東京五輪に向けたサステナブル・シーフードの課題と期待
この統括セッションは、日経エコロジー/日経BP環境経営フォーラムの生物多様性プロデューサーである藤田香氏とシーフードレガシー代表取締役社長である花岡和佳男が共同ファシリテイトをさせていただきました。まずは本日午後に開催された6つのパネルディスカッションのファシリテーターにそのまとめをご報告いただき、次いでイオントップバリュのグループ商品戦略部の山本泰幸氏、東京都産業労働局産業企画担当部長(オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務)の青山忠幸氏、一般社団法人エシカル協会代表理事の末吉里花氏、英MSCプログラムディレクターのトビー・ミドルトン氏をパネリストにお迎えし、東京五輪に向けたサステナブル・シーフードの課題と期待について議論しました。
様々な手段を使いながら持続可能性配慮の取り組みを2020年を契機に日本の漁業全体に広げていきたい。
2020年、東京オリンピックの頃には、サステナブルなライフスタイルが一般に定着しているはず。消費者にサステナブルな商品の提案をしていきたい。
日本でもこれからより多くの生産者がサステナビリティの追求を優先できるよう、マーケット・イニシアチブが大切であることや、そのために企業間や専門NGOとのプレコンペティティブ・コラボレーション(非競争連系)の構築が急がれることが再確認されたと同時に、根本的解決には各社による企業努力だけでは足りず行政による資源管理や貿易規制の適正化が急務であることがハイライトされました。また共感を生む消費者への情報発信の重要性にも触れ、教育、メディア、NGOが国内で担うべき役割についても改めて輪郭が描かれました。
東京五輪が日本にシーフード・サステナビリティを根付かせる最大の機会であること、まずは大会開催時にどんな状態になりたいのか成功イメージを具体化すること、そして現状下における達成可能性を重視して基準を下げるのではなく皆が努力できる高い目標設定が重要であることを再共有して、今年のシンポジウムは幕を下ろしました。
開幕のご挨拶は日経エコロジー編集長の田中太郎氏、閉幕のご挨拶はシーフードレガシーとパートナーシップ提携を結ぶ米ウォルトンファミリー財団のテレサ・イッシュ氏により行われました。
ネットワーク・インキュベーション
マーケット・イニシアチブとプレコンペティティブ・コラボレーション(非競争連系)の構築が鍵だと考えるシーフードレガシーは、このシンポジウムを企画するにあたり、基調講演やトークセッションやパネルディスカッションの内容充実を図るだけでなく、多くの企業とNGOが交流できるよう、休憩時間を多めにとり、NGOポスターブースを設けて参加者の意見交換の誘導を心がけました。またシンポジウム閉幕後はレセプションを開催し、ネットワーク・インキュベーションの機能も追求しました。このシンポジウムを機に日本でも更に多くの動きが活性化されていくことを願うと同時に、その成熟に今後もしっかりと貢献させていただきたいとシーフードレガシーのチーム一同、志を新たにしました。
当日は雨で足元の悪い中ご参加頂きました500名以上の皆様、ご多忙な中快くご登壇のお願いを受けてくださいました30名上の国内外のフロントランナーの皆様、主催と素晴らしい運営をしてくださった日経BPチームの皆様、共同開催してくださった財団関係者の皆様、撮影・記録・通訳チームの皆様、登壇者のご紹介や当日のポスターセッション等でお世話になったNGOの皆様、そしてシーフードレガシーのスタッフ、改めまして、本当に有難うございました。
当シンポジウムのレポートや映像は、準備が出来次第、公開させていただきます。
プログラムや登壇者のプロフィールはこちらのサイトからご覧いただけます。
このシンポジウムを機に日本でも更に多くの動きが活性化されていくことを願うと同時に、その成熟に今後もしっかりと貢献させていただきたいと志を新たにしました。「シーフードレガシーCEO花岡のシンポジウム総括ブログ」、長くなりましたがお付き合い頂きありがとうございました。

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