東京サステナブルシーフードシンポジウム2018〜開催報告1〜

11月1日に日経ESGとシーフードレガシー主催によりイイノホールで開催された「2018東京サステナブルシーフード・シンポジウム〜魚から考える日本の挑戦〜」。国内外から65名の登壇者と600名強の来場者が集まる中、3つのトークセッション、5つの基調講演、12のパネルディスカッションが繰り広げられ、大盛況のうちに幕を閉じることができました。ご登壇者の皆様、ご来場者の皆様、スポンサーの皆様、そして運営関係者の皆様、有難うございました!
今回のブログでは、シンポジウムの開催を飾る、基調講演の登壇者からの熱いメッセージをご紹介します。
開会挨拶
日経BP社 酒井 綱一郎 氏
「登壇者の皆様、スポンサー企業の皆様、そして参加企業の皆様など多くの関係者の協力と応援によってこのような素晴らしいシンポジウムが開催できている。このシンポジウムが持続可能な海の実現に向けたアクションへ結びつくきっかけになることを願います。」
基調講演 1:21世紀に考えるサステナブルシーフード
ウォルトンファミリー財団 エグゼクティブ・ディレクター カイル・ピーターソン 氏
「アメリカでは20年前に資源量が危機的状況だったが、現在は、政府、NGO、ビジネスが協働して持続的な海の実現に取り組んでおり、大きイニシアチブが生まれている。日本は水産資源が豊かな国だからこそ、日本のやり方でサステナブルシーフードムーブメントを21世紀におけるサクセスストーリーにしてほしい。」
基調講演 2:海洋プラスチック問題から考える持続可能な海洋
外務省 地球規模課題審議官 大使 鈴木 秀生 氏
「海洋プラスチック問題は他人事ではなく途上国を含む世界全体の課題として取り組んでいく問題である。海は一定のルールのもとでみんなのものであり、保全と利用の調和が重要である。これからは、海に投資をし、海を育てていく経済モデルが必要だ。」
基調講演 3:ディズニーリゾートが進めるサステナブルシーフード
上海ディズニーリゾート 料理長 アラン・オリアル 氏
「上海ディズニーでは半分以上の水産物は持続可能で責任ある水産物を調達している。水産物は良質な動物性タンパク質としては欠かせないものである為、どのように生産され流通しているかをしっかり知るべきである。大きな声を上げることができる時代だからこそ、それぞれが学び、イニシアチブを発信していくべきだ。」
基調講演 4:ポスト愛知目標とSDGs達成に向けた海の持続可能性
環境省 事務次官森本 英香 氏
「海洋プラスチック問題、気候変動、生物多様性などの問題が重なり、海洋環境は非常に厳しい状況にある。だからこそポスト愛知目標やSDGs達成に向けて国レベルと地域レベル、そして事業レベルで取り組むべき。海の持続可能性を実現するには、ステークホルダーが協力して循環経済(サーキュラーエコノミー)を作り上げることが非常に重要である。」
基調講演 5:資源評価や資源管理の強化、IUU対策
水産庁 長官 長谷 成人 氏
「日本は世界に冠たる水産大国だったが、この30年で様々な要因が重なり資源量が減って漁獲量のピークに比べると半分以下になった。しかし、日本の周りは大変優良な漁場であるので資源の底上げをしていくべきだ。総合的に大きな枠をつくりながら継続的に細かな改革を進め、日本の土壌にあったやり方で資源評価・資源管理・IUU対策の強化を進めていきたい。」
次回は午前中に行われた2つのトークセッションの模様をお伝えいたします。

日本の食文化をつなぎたい。 料理人と共に学び、 信じた道を走り続ける

エシカルなツナ缶をめざし 日本の金融機関が応援するタイ・ユニオン

餌から考えるサステナビリティ。 魚に魚を食べさせる養殖からの脱却

テクノロジーで暴く SDGsターゲットの一つIUU漁業

生協の社会的役割。 組合員とつくる 豊かで持続可能なくらし。

1000年続く モルディブ一本釣り漁業が切り拓く 三方良しブランディング

世界の水産物、実際に「サステナブル」なのは何パーセント?

やり始めたら、やり切るしかない。 理念を胸に進む、 食を通じたサステナビリティへの道

自然へのゾクゾク感が原点。 企業活動と自然をつなぐ、 ESGの可能性

社員の消費行動変革を通じた新しいCSRのカタチ。社食を活用した「食べる社会貢献」

対話なくして前進はない。一方的な規制ではなく、耳を傾ける努力を

日本の豊かな海と食を誇れるように。飲食店から伝える海の今

日本らしい資源管理を模索。魚食文化を次世代に引き継ぐために

世界で戦える漁業を次世代に残す。地域の暮らしを守るため

世界最大の漁船「アラスカ・オーシャン」に乗船。ベーリング海でのサステナブル漁業の実態に迫る

モントレー水族館がサステナブルシーフード界を牽引する秘密
