開催間近!サステナブルシーフードシンポジウムがもっと分かる!

来る11月11日(金)開催の「Tokyo Sustainable Seafood Symposium 魚から考える日本の挑戦2016」。今回はシンポジウムでフューチャーされる、サステナブルシーフード界で今注目されているトピックについてご紹介いたします。
今、日本の魚がアツい!
2020年のオリンピック開催が決まり、着々と準備が進む東京。実はオリンピックはスポーツの祭典だけではなく、世界平和や環境問題と言った地球規模で取り組まなければならない問題を発信していく役割もあるのです。「史上最も環境に配慮したオリンピック」をスローガンにしたロンドンオリンピックでは食料のサステナブル調達に徹底的にこだわるなど、新しいオリンピックスタンダードを作り上げました。
和食文化が広まり、どこの国でも当たり前のようにお寿司が食べられるようになった今。海外からの旅行客も日本に来たらやはり新鮮な寿司を!というのがもはや定番のようです。世界の期待と注目が集まる今だからこそ、近年衰退傾向にある日本の漁業をサステナブルシーフードで盛り上げていけるのではないのでしょうか。シンポジウム当日はロンドンオリンピック以降、急速に広がったイギリスのサステナブルシーフード市場について海洋管理協議会(MSC)北東部大西洋プログラム部長トビー・ミドルトン 氏よりお話頂きます。
実は儲かる!サステナブルシーフード
認定取得やシステム構築など、何かとコストがかかるイメージのあるサステナブルシーフード。しかし、長期的に見るとそれは安定した漁獲を意味するものであり、持続的な利益に繋がります。今問題視されるIUU漁業(違法・無報告・無規制)が原因で年間100〜230億USドルの損失が生まれていることはご存知でしょうか。取り締まりを強化し、市場全体でIUU漁業由来の海産物の取り扱いを規制することでクリーンな利益が市場に生まれるのです。
また、買い手である企業と売り手である漁業者が共同で行うFIP(漁業改善計画)は双方の持続的な利益に繋がるだけでなく、高い収益率が期待できる投資の対象としても近年大きな注目を集めています。世界にエビを輸出するアジア諸国ではアメリカやEUなどの企業と提携し、すでに大きな成果を納めています。当日はサステナブル調達で成果を上げている欧州よりFIP事業のスペシャリストや大手スーパーの食品関連バイヤーより、サステナブルシーフードが生み出す利益についてお話頂きます。
その魚は大丈夫?魚から企業のリスクヘッジを考える
現在世界中のシーフードサプライチェーンが抱える2大問題が、IUU漁業と奴隷問題です。水産品のサプライチェーンは非常に複雑で、不法に漁獲されたものが水揚げや加工の段階で一度サプライチェーンに混じってしまうと追跡することはほぼ不可能になります。産地情報やサプライチェーンの透明性が得られず、IUU漁業や奴隷労働に関与した可能性のある水産物を販売して利益を得たとなれば、企業イメージの低下につながるリスクもあります。海外では、企業自体が奴隷労働に直接関与しているわけではないにも関わらず、奴隷労働に関与した商品を消費者に提供したとして、消費者から集団訴訟を起こされる事態にまで発展している例もあります。これらの問題は、企業のブランド価値やCSRの取り組みにも大きな悪影響を及ぼしかねません。世界の企業は次々と対策に乗り出しているようです!
ライバルを味方にして市場全体を盛り上げる!
持続する豊かな海の実現という、自然環境と直面した根本的な問題に取り組むには、企業単体の力だけでは難しいものがあります。そこで通常であればライバル関係にある企業同士が協力して同じ問題に取り組み、公正にきちんと競争できる土台(持続的な資源の確保)を築く、プレコンペティティブ・コラボレーション(非競争連携)が海外では多く見られるようになっています。海外ではすでに問題解決に要する時間・コスト・人員の負担を各社で分担することでお互いにwin-winになる良好な関係を築き、サステナブルシーフード市場を盛り上げているようですよ!
最後に…
近年日本の漁業は衰退傾向にあると言われています。しかし、世界に目を向けるとサステナブルシーフードを通して水産業を活性化しようという動きが年々強くなってきています。2020年に向けて、日本の水産業にも明るい未来が訪れるよう、是非「Tokyo Sustainable Seafood Symposium 魚から考える日本の挑戦2016」にご参加ください!

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