Seafood Summit Barcelona 2018 参加レポート2

年に1度世界各国から多くのNGO、水産関連会社、漁業者、小売、研究者などが集まり熱い議論や意見交換を行うシーフード・サミット。
14回目となる今年は6月18日〜22日にかけてスペインのバルセロナで行われました。
「IUU漁業対策における電子監視のビジネスケース」「世界のマグロの持続可能性の現状」「労働者の声を汲み取った責任のあるサプライチェーン作り」「水産物持続可能性へのグローバルな取り組みに対する中国の消費動向の影響」など25を超えるパネルセッション、ワークショップ、フィールドワーク等が行われ360人を超える参加者が集いました。
サミットの中でも一際参加者の注目を浴びていたのが日本を代表してサミットに参加していた、Chefs for the Blue(シェフス・フォー・ザ・ブルー)の方々でした。
今年1月のCo-Labの主催するサステナブルシーフードの国際コンペで優勝を果たし、今回のサミットに招待されたChefs for the Blueのワークショップやレセプションの模様をお届けします。
Chefs for the Blueとは?
持続可能な魚食を日本で広げようと、料理人が中心となり立ち上げた団体。フレンチの人気店「シンシア」(東京・渋谷)の石井真介オーナーシェフ、
世界的有名店「ジャン・ジョルジュ」の東京店エグゼクティブシェフを務めた後、「THE BURN(ザ・バーン)」(東京・青山)立ち上げ準備中の米澤文雄シェフ、「ティルプス」(東京・白金台)でシェフを勤める田村浩二シェフの他東京のトップシェフが約30人、そして活動を取りまとめるのは発起人でもありフードライター兼翻訳家の佐々木ひろこさんです。
Chefs for the Blueのフェイスブックページはこちらをチェック↓
https://www.facebook.com/ChefsfortheBlue/
6月19日に行われたワークショップではChefs for the Blueの活動を紹介した後に「シェフやレストランとしてどのようにサステナブルシーフードを広げていけるか?」「消費者とどの様にしてサステナブルシーフードについてコミュニケーションをとるか?」などの問題について参加者に意見や提案を求めました。さすがは世界中から集まった経験豊富な方々、意見は引っ切り無しに続き、沢山のアドバイスが集まりました。
20日に行われたチャンピオン・レセプションではChefs for the Blueによるフィンガーフードの提供があり、鯖とスズキをつかったお料理はそれぞれ用意された400食が完売という大盛況ぶりでした。
Chefs for the Blueを代表して今回のサミットに参加された、石井シェフ、米澤シェフ、田村シェフに今回の感想と今後の抱負をお聞きしました。
石井シェフ:やはり日本は遅れをとっているという事を実感します。ただし、今回色々な視点からアドバイスを頂き、自分たちが実践できている事もあり可能性を感じました。今回は3人で来たが日本に帰ればChefs for the Blueに30人のシェフがいて、その周りにも多くのシェフがいてと繋がっているので、このタイミングですぐに仲間に情報共有をして意識を高めていきたいです。また、Facebookなどを通しての発信も続けていきたいです。
米澤シェフ:世界中のサステナブルシーフードに対する動きを体感できた事は大きいです。ある参加者の方からアメリカでは過去10年で消費者の意識はあまり大きくは変えられていないという事を聞いて、アメリカでもそうなのかと思うところはありました。しかし、始めから0か100ではなくとも少しずつこの活動を広げていく事が大切です。
田村シェフ:今までは日本での知識しか無かったのでこの場で経験できた事は大きいです。この分野で日本は欧米諸国に対して10〜15年遅れていると言われているが、僕たちが今直面している事は彼らも通って来た道です。今回の3人の知識と経験を他のメンバーに伝えて策を練って、サステナブルシーフードと料理人の地位向上に向けた活動を決めていきたいです。
サミットを通してシェフの方へは「日本ではどんな事が今の課題なのか?」「日本の消費者の意識はどうなのか?それについてどう思うか?」「日米のシェフで交換留学をして知識を共有しよう」など様々な関心や提案が寄せられました。
サプライチェーン上の川上である生産者の方とも、川下の消費者の方とも密接に関わるシェフの影響力は非常に大きいです。
生産者が気持ちを込めてサステナブルな形で生産した魚をストーリーと共に消費者の元まで美味しく届ける事のできるシェフ。
そんなシェフ達への注目度は、やはりこのサミットでもとても強く感じました。
影響力の大きいシェフが30人も集まるChefs for the Blueの今後の活動が非常に楽しみです。

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