また、2015年5月1日に発表された論文を含む最近のニュースでは、FIPの課題と機会に焦点を当てるとともに現地での改善努力の重要性および必要性を強調しています。
サイエンス誌に発表されたこの論文は、FIPを実施した多くの開発途上国における進展は限定的であるという証拠を引用しています。また著者は独立した検証を通じて、FIPの進展のモニタリングにおける透明性および説明責任の重要性を強調するとともに、市場へのアクセスを改善目標達成に明確に関連づけることを強く推奨しています。さらに論文の最後の節では、FIPが実施される社会的生態学的制度の理解への投資を通じて環境、経済および社会の持続可能性に関する成果をより確実にすることを提言しています。
論文で取り上げられているテーマは、世界の漁業の持続可能性改善に尽力する私たち全員にとって身近なものです。有意義な変化を促し定着させる効果的なバイヤー関与の必要性および現地検証は、効果的な漁業改善計画(FIP)を支えるのに必要な基本原則の2つの代表例です。オーシャン・アウトカムズは、厳しい環境のもとで真の改善が漁業および産業のパートナーにより成し遂げられたことや、FIP 追跡表に関する透明性の高い文書を通じてこのような進展を保証していることを誇りに思っています。
世界の漁業が、とりわけ開発途上国において直面する課題に詳しい人々は、国際的な成功事例の基準を満たすという最終的な目標に向かって少しずつ改善を積み重ねるにはいかに時間と大変な努力が必要かを理解しています。また、現実的で評価が可能な期限を定めた改善の節目の設定および達成に目を向けることにより、私たちの投資が資源の持続可能性の改善および水産物の供給増加に真に寄与する助けになります。さらにこの作業では、有意義で長続きする漁業の持続可能性進展の条件を策定するためには、管理体制の能力および地域の経済的社会的条件の根本的な変化がしばしば求められていることを認識しなければなりません。
FIPの情勢についてですが、まだ初期段階なのでしっかりと開発し、弾みをつけ、一貫して結果を出すにはまだ時間がかかります。効果的なFIPモデルの試験および実証を通じて、何がうまくいって何がうまくいかなかったかの事例を同僚やパートナーの方々と共有し、時間をかけてじっくりと私たちの取り組みを評価改善し、私たちの努力の進展を公開し、検証できるようにすることにより、長期的で持続可能な食糧供給の確保に向けた真の解決策に寄与することができます。